吐の瀬五ヶ瀬川と小々波水神

五ヶ瀬町桑野内波帰(はき)から、県道(宮崎県)8号線のS字カーブを下りきると、五ヶ瀬川に架かる波帰之瀬橋のたもとに出た。橋を渡ると高千穂町である。
波帰之瀬橋を渡り五ヶ瀬川沿いに上流へ向かうと、もう一つの橋のたもとに出る。支流の川走(かわばしり)川に架かる県界(けんかい)橋である。全国には県境をまたぐ「県界橋」という名の橋がいくつかあるという。川走川の県界橋は、宮崎と熊本の県境に架かり、渡ると山都町吐(はき)の瀬である。

波帰之瀬橋から見た五ヶ瀬川。上流右手が県境橋と川走川との合流点

広々とした五ヶ瀬川と比べると、川走川は急斜面に囲まれ川幅も狭い。五ヶ瀬川との合流点には旭化成の「川走川第二発電所」がある。川底はフラットな岩盤に覆われ流れも穏やかだが、思った以上に水深がある。
吐の瀬で鳥居を見かけた。鳥居をくぐり農道を下ると、五ヶ瀬川沿いに水神さんが祀ってある。地元で名を尋ねると「小々波(さざなみ)水神さん」だと言う。
「水神さんでは、毎年10月第2土曜日と日曜日に子ども相撲を奉納している。近くの椛山(かばやま)に土俵を造って子どもたちが参加している」という。

小々波水神さん

水神さんの前から五ヶ瀬川を覗くと、川底に点々と白いものが見える。「子や孫たちが病気にならず今年も健康であることを願い、1月14日に水神さんから鏡餅を川に流している。ここではオキノコンゴウさんと呼んでいる」と教えてくれた。
水神さん前の淵を眺めていたら、2匹の大鯉がゆっくりと泳ぐ姿が見えた。

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